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記事: サーフボードを車に積みっぱなしにするとどうなるか|真夏の車内を3日間測った

サーフボードを車に積みっぱなしにするとどうなるか|真夏の車内を3日間測った

サーフボードを車に積みっぱなしにするとどうなるか|真夏の車内を3日間測った

真夏の車内は52℃まで上がり、ケースを掛けてもその温度は下がりませんでした。 それどころか、ケースの中は50℃を超えている時間が2倍になりました。

対策は、板を車に置いたままにしないこと。それだけです。ケースは熱を防ぐ道具ではありませんので、そこに期待して積みっぱなしにするのはやめておきましょう。

週末に海に行くサーファーからすれば、板が車に載っている時間は往復の2〜3時間です。ところが降ろし忘れて次の週末まで置いたままにすると、その2〜3時間が5日間になります。夏場の5日間、車内で何が起きているのかを知っておく価値はあると思います。

2026年8月の下旬、千葉県内で、サーフボード2本を車に積んだまま3日間、10分おきに温度を記録しました。以下はその実測値です。

3日間測った結果 — 車内は52.2℃、40℃以上が9時間

測定時の設置状態。車内の運転席直後に、ケースを掛けたサーフボードと裸のサーフボードを並べ、それぞれに温度ロガーを取り付け、天井から空気温度用のプローブを吊るしている

温度データロガーを2台使い、それぞれ2本のプローブで、合計4か所を同時に測りました。板を2本並べ、片方にケースを掛け、もう片方は裸のまま。車はワンボックスで、板は後部に寝かせています。

晴れた日の実測値です。

値
日中の最高温度 52.2℃(14:55)
40℃以上だった時間 9.2時間
45℃以上だった時間 6.7時間
50℃以上だった時間 2.2時間
明け方の最低温度 25.2℃(05:25)
一日の変動幅 27℃

別の晴れた日にもう一度測ったところ、最高は51.5℃でした。この日は途中で車のドアを開けているので、実際にはもう少し高かったはずです。それでも2日とも52℃前後という同じ値が出ていますから、たまたま暑い日に当たった数字ではありません。

曇りの日も測りましたが、それでも43.1℃まで上がっています。晴れていないから大丈夫、とは言えない温度なのです。天気予報を見て「今日は曇りだから車に置いておこう」という判断は、この数字を見る限り成り立ちません。

この52℃は、直射日光が板に当たっていない状態の数字

ここが一番伝えたいところです。

測定中、板の表面温度と車内の空気温度はほとんど同じで、差は0.4℃以内でした。もし日差しが板の上に直接当たっていれば、表面は空気より10℃以上高くなります。そうならなかったということは、板には日光が一度も当たっていないということです。

板は後部の、窓の下のラインに寝かせてあり、日除けも付いています。サーファーが実際に車に板を積むときの、ごく普通の置き方です。

つまり 52℃は、日陰に置いた場合の数字です。フロントガラス越しに日が当たる場所に置けば、これより高くなります。

朝の2時間で、28℃から42℃まで上がる

早朝に海に入って、そのまま昼まで車を停めておくパターンを考えてみます。

実測では、朝7時に28.8℃だった車内が、9時には42.2℃になっていました。2時間で13.4℃です。海から上がって朝食を取り、少し仮眠して、というくらいの時間で、車内は40℃を超えます。

温度が上がりきるのは14時から15時ごろですから、朝に積み込んだ板は、その後ずっと高温にさらされ続けることになります。

ケースを掛けても、到達温度は下がらなかった

真夏の車内温度の実測グラフ。8月27日と28日、サーフボードにケースを掛けた場合と掛けない場合の温度推移
2026年8月27日(曇り)と28日(晴れ)の車内温度。千葉県内・ワンボックスの後部に2本を並べ、10分間隔で記録。曇りの日は4本の線がほぼ重なり、晴れの日は朝だけケースの中が遅れて上がり、昼以降は逆に高いまま下がらない。

ここは当方も予想と違いました。

ケースを掛けた板と、裸の板を、同じ日に並べて測っています。

裸の板 ケースの中
最高温度 50.9℃ 51.5℃
50℃以上だった時間 40分 80分
昼間の平均差 — 裸より0.70℃高い

ケースの中のほうが高い。 そして50℃を超えている時間は2倍でした。

効果がまったく無いわけではありません。朝の温度が急に上がる時間帯だけは、ケースの中は裸の板より最大2.1℃低く、20分ほど遅れて上がっていきます。ただ、その遅れは昼までに消えますし、そのあとは逆に、熱がこもって抜けにくくなってしまいます。

ケースの外側と内側も同時に測りました。外側のほうが内側より0.58℃低いという結果です。生地が熱を遮っているのなら外側のほうが高くなるはずなので、遮っているというより、こもっていると読むほうが自然です。

昼過ぎに一度ドアを開けたときも、裸の板のほうが速く温度が下がりました。換気しても、ケースの中はすぐには冷えないのです。

車内でボードに何が起きるのか

ワックスについては、経験のあるサーファーも多いはずです。40℃以上が9時間続けば、夏用のワックスでも溶けます。溶けたワックスはデッキを流れ、板の側面から垂れて、車の内装に付いてしまいます。

板そのものへの影響については、当方はまだ数字で答えられません。 何℃から樹脂やフォームに実害が出るのか、板のメーカーが公表している耐熱の条件を確認できていないためです。他の記事では剥離やデラミネーションが起きる温度が挙げられていることがありますが、当方が確かめた数字ではないので、ここでは書きません。

書けるのは、実際に測った値のほうです。日陰に置いても52℃になり、40℃以上が9時間続く。 その環境に板を置き続けるかどうかは、この数字を見て判断していただくのが正確だと思います。

この測定でわかっていないこと

数字を出す以上、測れていない範囲もはっきりさせておきます。

今回測ったのは、千葉県内に停めたワンボックス1台、3日ぶんです。車種や色、駐車場所が変われば値も変わります。それから、ダッシュボードの上や、フロントガラス越しに日が当たる位置は測っていません。板を後部に寝かせた状態しか記録していないので、前席側はこれより高いはずですが、何度になるかは当方の手元に数字がありません。

日光が直接当たる位置に板を置いた場合も、3回試して条件を作れませんでした。板を水平に寝かせている限り、側面の窓から入る日差しは板の上を通り抜けてしまうためです。ケースが日差しを遮る効果があるかどうかは、この測定では判定できていません。

現実的な対策

板を車から降ろす。これが確実です。ただ毎回それができるとは限らないので、下げられる要素を挙げます。

  • 駐車場所を日陰にする。 車内の温度そのものが下がりますから、まずここから考えましょう
  • 窓を数センチ開ける。 防犯の面で場所は選びますが、こもった空気が抜けます
  • 朝いちで海に行った日は、帰宅後すぐ降ろす。 温度が上がりきるのは14〜15時です。午前中に帰るなら、その前に降ろせば高温帯を丸ごと避けられます
  • ワックスを落としてから積む。 溶けて内装に付くのを防げます(落とし方はワックスの落とし方に)
  • 車内の低い位置に置く。 温められた空気は上に溜まりますから、ルーフに近い位置より床に近い位置のほうが条件はましになります

ケースについては、掛けても温度は下がりません。裸で積むより擦り傷は防げますが、熱の対策として掛けるのなら意味がない、というのが実測の結論です。

Shignの場合

Shign の Journey Light は、ショートボード用のボードケース(ソフトカバー)です。

サーフボードケース Journey Light。芝生の上に並べたHemp IndigoとPremium Black、駐車場で車へ運ぶ場面、車内へ積み込む場面

Journey Light(Hemp Indigo / Premium Black)。生地は一枚の中で柄が移り変わるように織られているため、同じカラー・同じサイズでも一点ごとに柄の出方が違います。

今回の測定にも Journey Light を使っていて、ケースの内側のほうが50℃超の時間が長いという結果も、そのまま出しています。ケースの役目は熱ではなく、紫外線と、傷と、運搬中の擦れです。

生地は70Dリップストップ・ポリエステル100%で丈夫です。リップストップ織りが引き裂きの広がりを抑え、裏面のアクリル樹脂加工によってワックスが染み込みにくい処理を施しています(ワックスの染み込みを完全に防ぐものではありません)。撥水と紫外線の劣化防止は後加工ではなく生地レベルで備わっていますので、板を日焼けから守る役割もあります。ファスナーのないスリップオン式で、重量は約450g。海から戻ってさっと掛ける動作に無理がありません。

何よりもユニークなデザインが特徴です。和柄の麻をモチーフにした生地は、シンメトリーからアシンメトリーへ移り変わる大きな一枚として織られていて、そこから切り出すため一点ごとに柄の出方が違います。人と同じものは選びたくない、という方にぴったりのサーフボードカバーです。

対応サイズはShort(〜6'4"/193cm)で、Mid・Longは計画中です。

ですのでこの記事の結論は、ケースを勧めることではなく、板を車に置いたままにしないことになります。

→ Journey Light の製品ページ

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